小説家になりたい方へ、お役にたてれば情報

小説を読むのが大好きです。同時に書くのも好きで、原稿料などもらったこともあります。小説に関連する様々なことを書いていきたいと思っています。

アンケート、今年一番の小説は?に答えるとすれば。

毎年、あるところから、「あなたにとって今年一番の小説は」のアンケートがメールで送られてきます。

 今年、印象に残った本をあげれば、

1、      大江戸釣客伝(おおえどちょうかくでん)(夢枕獏)(講談社文庫)

2、      真昼なのに昏い部屋         (江國香織)(講談社文庫)

3、      飛水                (高樹のぶ子)(講談社)

4、      雲霧仁左衛門            (池波正太郎)(新潮文庫

となるでしょうか。

1と4が時代小説、2と3が不倫小説となります。

ウーン。時代小説の方が、夢中に読めましたね。

 

一番となると、雲霧仁左衛門(特に前巻)もよかったですが、大江戸釣客伝(上、下巻)となると思います。

江戸は徳川綱吉の時代の釣り愛好家の話です。日本最古の釣り指南書をかいた津軽うなめ(小説では漢字)芭蕉の弟子の其角、絵師の朝湖。

徳川綱吉と言えば、生類憐みの令ですね。

やがて、釣りにも、「釣り船禁止令」(漁師は別)が出ました。そんな中、彼ら釣り好きは、どう釣りと向き合ったのか。

 

釣りの趣味のない私にも大変おもしろく読めました。

 

 

 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アマゾンの「キンドル・ダイレクト・パブリッシング」、(作家志望の方への情報、その3)

先日、図書館で清水義範さんの「作家になる方法」を読みました。

そこに、オンラインで作品を投稿するのは、やめた方がいいと書いてありました。

私も、新人賞を応募するのが、一番だと思って来ました。

 

それが、11月20日付の朝日新聞、朝刊の文化面を読んで、こういうのもありなのかな、と思うに至りました。

アマゾンが昨年始めた、「キンドル・ダイレクトパブレッシング」の「小説・文芸」部門の年間1位になったのが、プロではない藤井さんという方が書いたSFの作品だったというのです。2位が米沢穂信、3位が沖方丁の作品だったというからすごいです。

 

このアマゾン、キンドル・ダイレクトパブリッシング、印税率が高いという特徴をもっています。(販売価格の35パーセント、一定の条件を満たすということで70パーセントも選べるという。)

 

だけど、SFだというが、藤井さんの作品どのように売れていったのでしょうかね。ネットの小説は、玉石混合だと思っている私など、作品の紹介記事が面白そうでも、お金を出して買う以上、プロの作家さんが書いたものを優先させます。

 

藤原さんの作品が、年間1位になった。そこに至るまでの過程が知りたいものです。

 

アマゾンのキンドル・ダイレクトパブリッシングのページを開いてみると、いろいろ書いてあります。

 

パソコン苦手のオジサンにも簡単にアップ出来るのだろうか、などとちょっと、心配になってきました。

 

まあ、新しい試みではありますし、無料で発表出来るというのもいいです。

今後、活用の仕方を考えていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユニークで役立ちそうなハウツー本の紹介(作家志望の方への情報、その2)

あなたは、小説作法の類の書籍を読んだことがありますか。

 

小説をどう書いたらいいのか、という本、今、作家になるならば、大手出版社の新人賞をとることが一番の近道とされています。これに関連する新人賞を獲るための本、などなど図書館に行くと、(規模などにもよりますが)けっこう見つかります。

若桜木 虔(ワカサギ ケン)さんとか後木 砂男さんとか、カルチャーセンターで講師経験がある方とか清水義範さんといった作家さんもこの種の本を書いていますね。

 

今日は、そんな中で異色とも思える1冊を紹介します。

題名    小説新人賞は、こうお獲とり遊ばせ

著者    奈川静香

出版社   飛鳥新社

発行    1997年

 

 ページを開いてパラパラめくっただけで、ちょっと、驚きます。

「作品」でなく「お作品」という表現なのです。

万事がこの調子で、お姫様のような言葉が次々に出てくるのです。

 

この方、新人賞の「下読み」の方。

大手出版社の新人賞には、たくさんの原稿が送られてきます。

それらを編集部だけで、処理するのは大変なことで、「下読み」の人に頼み、

1次予選通過(2次予選までの時もあるみたいです。)の作品を選んでもらうわけです。

普通は、売れない作家さんや編集経験者などが行うようですが、奈川さんは、小説を書いたことがないのにそれを行うことになり、過去2000作品を読んできたとのことでした。

週刊朝日に連載もされました。

 

 前半は、新人賞の笑える原稿の数々の例が次々出て来ます。

作品と梗概の他に夫への感謝の気持ちを付け加えたもの、何故この小説が書かれたかを解説したもの、コンピューター用紙にきちんと升目を書いた原稿などなどが、独特の口調で書かれていきます。そうしながら、こういうことはしない方がいいんだな、ということも教えてくれています。

後半には、応募する前に考えて欲しいことや作者の選考基準や選考などについて書かれています。

 

表現はやさしくとも、かなり、きついこと、ハードルが高いことも書かれています。(新人賞をめざす方本人が考えればいい、と思う部分もあります。)

一読の価値は、ある本だなと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

安定した仕事につく。これって、とても大切(作家志望の方への情報、その1)

NHKの午後9時からの報道番組だったかで、「月下上海」で第20回松本清張賞を受賞した山口恵似子さんのことが紹介されたことがありました。

都内の新聞配達組合の従業員食堂で働きながら小説を書きあげ、受賞したという紹介でした。

「食堂のおばちゃん」と「文学賞」、全くもってかけ離れています。

その時、彼女はインタビューに答えているのですが、「確かに、確かに」と心の中で大きく頷いたことがあります。

現在の安定した仕事についていられるからこそ、小説に取り組むことが出来た、という内容の言葉でした。

 

小説家になるために正規の仕事をやめて、貯金を崩したり、

アルバイト生活をしながら書いている人っていますよね。

小説家志望のあなたが、同じことを考えているなら、

それは、やめた方がいい、と言いたいですね。

私も宙ぶらりんの状態で文章書きを続けたことがあります。

自分で立ち上げたビジネスがうまく機能しないことから、そうならざるを得なかったのですが、時間はあっても気持ちが不安で揺れ動き、焦りもあり、いい文章が書ける気がしませんでした。

自ら選んでも、ポテンシャルを保ち続けることは、難しいと思います。

 

小説講座に通った頃の話です。

大手出版社の編集者の方が、言っていました。

地方だと、大手出版社の新人賞などとると名士的扱いになって、

ラジオのインタビューなど受けたりする。

その結果、自分が、一人前の作家だと錯覚してしまい、

会社も辞めてしまったりする人がいるようだが、

新人賞をとったからと言って、作家としてやっていけるのは、

ごく少数の人間である。新人賞などとったからといって会社を辞めるのは、

非常にリスクが高い。記憶に頼って書きましたが、こんな内容だったと思います。

 

これは、デビューしてからの話ですが、今、あなたが、安定した収入を得る仕事についているなら、その中で、体力的、精神的に無理をしない範囲で書き続け、作品を完成させていくのがいいと思いますね。

 

 

 

 

 

東野圭吾「新参者」を読む

 

テレビで、放映されたのは、何年前でしたか?

主人公の加賀恭一郎を演じたのは阿部寛でしたね。

私は、観ませんでしたけど、こちらは、しっかり覚えています。

原作とドラマは違うのは分かっていますが、

読み終わった今、やっぱり、観ればよかったと、ちょっと悔やんでいます。

 

話は、小伝馬町で起きた45歳の女性が殺された事件。

所轄の刑事、加賀は、聞き込みをしながら、事件の真相を追っていく。

大きな特徴は、それぞれの章が、独立した連作からなりたっているように感じられること。そして、どの章にも人情といったものがあること。

たとえば、瀬戸物屋の嫁と姑、普段いがみ合っているふたりだが、姑の旅行の折は、互いに思いやりの心を見せる。

そうした中で、加賀という個性的な刑事の優しさと嗅覚と頭脳の鋭さを読者は、見ることが出来る。

楽しめた作品だった。

 

ちょっとつけたし

先に記述した、大沢在昌さんが、今の購入される本の傾向について述べていた。

ひとりの作家に集中するということだった。

たとえば、推理作家だったら東野圭吾さん。

東野圭吾さんだったら、皆が読んでいる、だったら面白いだろう。

それで、他の作家さんもいろいろいるのに、東野圭吾の作品を買う。

こんな内容だったと思いますが、実は、私もそんな乗りで購入したのでした。

 

本の帯の表紙って営業効果はあると思いますが、この本は、読む前に取り外した方がいいと思います。

とても、素敵な表紙なのです。帯をしたまま、読んでましたが、外してみると、ひしひしと夜の通りの情緒が伝わって来たのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最新作は、「海と月の迷路」ラジオ深夜便、大沢在昌さんについて新たに知ったこと。

 

 

今、この文章を書いている部屋の中に本棚があり、そこに大沢在昌さんのサイン入り本があります。

題名は「夢の島」、どこでのサイン会だったのだろう、握手をした記憶があります。ハードボイルド作家らしい力強い握手でした。

 

NHKのラジオ深夜便という番組を聴いたことがありますか。

比較的高齢者のリスナーが多い、深夜番組です。

毎月、週の初めは、ミッドナイトトークのコーナーがあります。

お題(テーマ)に沿ってのゲストとの対談です。

今週のテーマは、「読書の秋、私の一冊」がテーマです。

 

サイン会に行く位ですから、私は、大沢さんの作品ファンでもあります。

新宿鮫、最高におもしろかったですね。それまでは、余り売れる作家のイメージはなかったのですが、この作品でブレーク、このシリーズ「新宿鮫 無間人形」で、直木賞を受賞して、今や、日本を代表するハードボイルド、ミステリー、作家のひとりだと思います。

大沢在昌さんに関すること、「ええ、そうだったんだ」とラジオ深夜便を聞いて初めて知ったことなど以下に記述していきます。

 

その1

最新作は、「海と月の迷路」。

長崎県のかつては炭鉱の島と栄え、今は、当時の日本最初の高層住宅は、廃墟と化した、無人島(通称、軍艦島)が舞台。時代設定は、昭和30年代。そこで、起こった少女の殺人事件を赴任して来た警官が追いかけるストーリーとのことです。軍艦島に関する資料などは、多くあるので、実際には島を訪れることはなく書き上げたそうです。

最近、大沢在昌さんの作品は、読んでないのですが、読みますかね。

 

その2

小説家より、先に詩人になりたかったとのこと。

アンカー(番組進行をする司会者のことをラジオ深夜便ではこう呼びます。)の遠藤ふき子さんも驚いていましたが、これって私にとっても実に意外でした。

私の中では、大沢さんは、小学生高学年だったか中学生だったかにして、チャンドラーの小説を読み、以来、ハードボイルド作家を将来の仕事に決めた、との記憶があったものですから。大沢さんが、詩を書いていたことすら、驚きでした。中学3年の時でしたか、名古屋の詩の同人雑誌に入会したものの同じ年齢の女子の作品を読んで。これはかなわない、と詩人をあきらめ小説家志望に変更したとのことでした。

 

その3

大沢オフィスのメンバーで毎年朗読会を開いているとのこと。

大沢在昌京極夏彦宮部みゆき、自作朗読会)

 

大沢さんがオフィスをもっていることは以前から知っていました。宮部みゆきさんが、メンバーであることも知っていました。現在は、京極夏彦さんもメンバーなのですね。

 

オフィスと言っても、そこに宮部さんや京極さんが、オフィスに来て執筆活動をするわけではないです。あくまで、ふたりが、マネージメントを任せているということです。芸能プロダクションみたいな感じでしょうか。日本では珍しいですよね。

 

朗読会、ことしは、11月30日、浜離宮朝日ホールというところで行われるそうです。昼の部、夜の部があり、夜の部は、既にチケット完売、昼の部が余っているかも知れない、とのことでした。

 

楽しいミッドナイトトークでした。

小説関連、読後感やら様々な情報やら(第1回、簡単な自己紹介と今後の方針)

まずは、簡単な自己紹介です。

本職は、理化学分野の仕事に従事しています。その傍ら、小説なんぞを書いています。

これまで、雑誌に15作品ほどが掲載されて、原稿料をもらい、文芸誌も出版するところから1冊だけ、文庫が出版され、印税なるものをもらったことがあります。

すいません、ペンネームは非公開とさせていただきます。

 

正直、近頃は、売れておりません。年齢も十分シニア(高齢者とか、の単語は使わないことにしております。)であり、普通だったら小説書きなどあきらめるところですが、大きな文学賞をとるぞと日々努力しております。

このブログでは、読んだ本の感想やら、小説に関する様々な情報を幅広く提供していこうと考えております。

読者になっていただければ、幸いです。